グリーン周りのバンカーで大切なのは、最初からピンへ寄せることではなく、次の1打をグリーン上から打てる場所へ出すことです。普通のアイアンショットと違い、基本のバンカーショットは球を直接打たず、手前の砂ごと運びます。弱く合わせるほど砂に負けるため、構えと振り切る方向を先に決めます。

この記事は、平らなガードバンカーで球が砂の上にある基本状況を扱います。フェアウェイバンカー、目玉、硬く締まった砂、急な傾斜では打ち方が変わります。

打つ前に安全とルールを確認する

バンカーへ入るときは、球に近く、傾斜の緩い場所から入ります。高い土手を無理に下りると転倒するおそれがあります。前の組や同伴者が射程内にいないことも確認してください。

JGAのゴルフ規則12.2では、次のストロークの情報を得る目的で砂の状態をテストすることや、球の直前・直後へクラブを接地することなどが制限されています。一方、ルースインペディメントや動かせる障害物を取り除く際に合理的に砂へ触れることなど、認められる行為もあります。練習でも、アドレス時にヘッドを砂へ置かず浮かせて構える習慣をつけます。

基本の構えは下半身を安定させる

  1. サンドウェッジを持ち、フェースを少し開いてからグリップする。
  2. スタンスを肩幅程度に広げ、足を砂へ軽く埋めて滑りを抑える。
  3. ひざを曲げて重心を下げ、体重を左足側へ置く。
  4. ボールは中央よりやや左を基準にする。
  5. ピンではなく、球の少し手前の砂へ視線を置く。

フェースを開く角度は一定にします。構えた後で手だけを右へ回すと、グリップまで緩みます。初回は大きく開かず、スクエアに近い状態から少しずつ変えてください。

球の手前の砂を取り、最後まで振る

狙うのは球そのものではなく、球の手前の砂です。砂へヘッドを入れ、球の下を通った砂と一緒にグリーンへ運びます。インパクトで止めるとヘッドが砂へ潜ったままになり、脱出できません。フィニッシュまで振り抜きます。

楽天GORAのプロ解説では、左足7・右足3を構えの目安とし、通常のショットの半分程度の飛距離を想定して振り切る方法が紹介されています。数値は体格や砂質で変わるため固定せず、「通常のアプローチより大きく振っても砂が距離を吸収する」という違いを理解する材料にしてください。

線を消す練習で入砂位置をそろえる

バンカー練習場を利用できる場合は、球を置かずに砂へ目標線を1本引きます。線の少し手前からヘッドを入れ、線の先まで薄く砂を取る練習を5回行います。毎回同じ場所から入るようになったら、線の上へ球を置いて打ちます。

10球を連続で打つと疲れて振りが小さくなるため、3球ごとに砂をならし、足場と構えを作り直します。練習後はレーキで打痕と足跡を平らに戻してください。一般打席のマットや、自宅の庭で砂を使った練習は、施設規則や安全面から避けます。

出ない・ホームラン・左へ飛ぶ原因を分ける

砂だけ取って球が出ない

入砂位置が球から離れすぎているか、インパクトで減速しています。狙う位置を少し球へ近づけ、フィニッシュの高さを先に決めてから振ります。振り幅を小さくするのではなく、砂を取る量を安定させます。

球を直接打ってグリーンを越える

上体が起きてヘッドが砂へ入らず、リーディングエッジが球へ当たっています。足場を作り直し、ひざの高さをフィニッシュまで急に変えないようにします。土手が低く広い方向へ出す判断も必要です。

左へ強く飛ぶ

フェースとスタンスを大きく開きすぎたり、腕だけで急に返したりすると方向が不安定になります。初心者は開き幅を減らし、グリーン中央の広い場所を狙ってください。

砂の状態が違えば同じ打ち方に固執しない

雨で締まった砂や砂が薄いバンカーでは、ヘッドが深く潜りにくく、柔らかい砂と同じように大きく開くとバンスが跳ねて球へ直接当たることがあります。フェースを開く量を減らし、コンパクトに振ります。反対に柔らかく深い砂では、足場を安定させ、弱く合わせず砂ごと運びます。

あごが高い、球が埋まっている、足場が滑るなど判断できない状況では、無理にピン方向を狙いません。横や後方の低い場所へ出す、アンプレヤブルの救済を確認するといった選択もあります。規則と救済の基本は初心者向けゴルフルール解説で確認できます。

参考資料